このたび大会長を拝命いたしました、北野洋平と申します。

これまでArchリハビリテーション勉強会では、全国各地の先生方をお呼びし、多くのセミナーを開催してきました。
今回のフォーラムでも、みなさまに価値ある時間を提供できるように尽力して参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回のフォーラムでは、高齢者の4大骨折である

・上腕骨頚部骨折
・橈骨遠位端骨折
・大腿骨頸部骨折
・脊椎圧迫骨折

これら4疾患のリハビリテーションの最新知見とアプローチを学ぶことができます。
自分の整形リハビリテーションの知識を、最新版にアップデートしたい方は有意義な1日になると思います。

そして病院内外で活躍されている講師陣が一堂に会すため、またとない機会となるでしょう。
それではこれから、今回登壇する4人の講師陣をご紹介していきます。

※ご講演順となっています。

腰椎圧迫骨折に対する保存療法戦略

講師プロフィール

北川孝先生
北川 孝先生
金沢赤十字病院 リハビリテーション科
金沢大学整形外科 医学博士課程
理学療法士

【経歴】
2009年 4月〜2011年 2月 金沢西病院 リハビリテーション科
2011年 4月〜現在    金沢赤十字病院 リハビリテーション科
2015年 3月       金沢大学医薬保健学総合研究科 保健学専攻(前期) 修了

北川先生から学べること

1.腰椎圧迫骨折の画像の読み方
レントゲンではみな椎体が潰れているが、他のどこの画像所見に着目するといいの!?

2.腰椎圧迫骨折における骨癒合の評価・判定
痛みの強い患者さんを積極的に離床しちゃっていいの!?画一的なプロトコルから脱却し、1歩上のリハビリテーションを実践する!

3.重症度別に応じた適切な対応
Direct typeとIndirect type、不安定性の有無などワンランク上の概念に基づくリハビリテーションを行おう!

4.腰椎圧迫骨折に対する有用な運動療法
これまでのありきたりなプログラム・常識を再考するリハビリテーションを会得しよう!

概要

腰椎圧迫骨折は腰背部痛、筋骨格系・呼吸器系の機能低下、姿勢・アライメント障害、QOLの低下など多岐にわたる機能障害を残しうる骨粗鬆症に由来する疾患です。保存療法においては基本的にはコルセットの完成に伴い離床を進め、疼痛に応じ運動量・活動量を増加させていきます。

臨床では積極的に受傷部位への介入が困難なことから、画一的なアプローチになりがちです。しかし近年、椎体圧迫骨折に対する運動療法に関するシステマティックレビューが多く発表され、その運動プログラム等の有効性が多く示されてきています。これらの知見を臨床に取り込むことで、対象者のアウトカムは大きく変わりうる時代を迎えてきています。

腰椎機能障害については、その画像所見と臨床所見が必ずしも一致しないことが多く、障害像の統合と解釈、ならびに予後を予測することが困難なことも多いです。しかし、椎体圧迫骨折に関する有益な画像所見の解釈の仕方も明らかとなってきており、その知識を活用することでより正確な回復過程の推測ならびに円滑な退院に向けての目標設定ができるようになってきました。

受講者の腰椎圧迫骨折に対する考え方・リハビリテーションを革新的に変化させるべく、今回は明日からすぐ臨床に使える知識・技術の提供を中心に、プレゼンテーションを展開していきます。

手関節の骨折に対する、考え方と治療-橈骨遠位端骨折-

講師プロフィール

堀江翔先生
堀江 翔先生
金沢大学附属病院 リハビリテーション部
作業療法士

【経歴】
2007年 3月 金沢大学医学部保健学科 卒業
2007年 4月 金沢大学附属病院 リハビリテーション部 入職
2009年 9月 金沢大学医学系研究科保健学専攻 博士前期課程 修了(保健学修士)
2011年 2月 北陸ハンドセラピィ研究会 立ち上げ
【資格】
日本作業療法士協会 認定作業療法士
【社会活動】
北陸ハンドセラピィ 代表世話人
中部日本ハンドセラピィ研究会  世話人
石川県作業療法士会 学術部 部長

堀江先生から学べること

・手関節(橈骨)周囲の機能解剖
・骨折分類とX線評価
・合併症
・具体的なアプロ―チ内容
・難渋例紹介

概要

橈骨遠位端骨折は脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折に次いで患者数が多く、リハビリでも担当することが多い外傷です。

ロッキングプレートの登場以降、手術後の早期運動が可能となり良好な成績を残すようになってきています。しかし、腱癒着が高度な例や、持続する痛み、CRPSなど合併症に悩む例もしばしば遭遇します。

今回は基本的な内容として、解剖や骨折分類、X線写真のみかたなどに始まり、起こりうる合併症について注意点などをお話しします。

また具体的なアプローチに関しては当院手外科グループで行っている研究内容を踏まえてお伝えします。加えて、いくつかの難渋した症例についてご紹介したいと思います。

股関節の機能解剖と運動療法

講師プロフィール

畠山智行先生
畠山 智行先生
社会医療法人董仙会 恵寿金沢病院
理学療法士

【経歴】
1998年4月NTT西日本金沢病入職
2005年9月金沢大学医学系研究科博士前期課程 修了 保健学修士
2014年7月社会医療法人財団董仙会 恵寿金沢病院 入職
PT歴20年目
【資格】
2008年5月15日より整形外科リハビリテーション学会北陸支部設立 ライセンスB級

畠山先生から学べること

・股関節の機能解剖
・骨折分類とX線評価
・股関節疾患の評価方法の紹介
・大腿骨頸部骨折に対する運動療法について

概要

股関節は頭部、体幹の荷重を両下肢に伝え、そして、左右の足底からの床反力を1つの骨盤に伝える役目をします。その継ぎ目である股関節は球関節であるため安定性と可動性が必要とされる関節です。その股関節の機能解剖は奥深く、理解のしごたえのある関節です。

高齢者の代表的な骨折である大腿骨頸部骨折では、大腿骨の解剖学や骨折の分類、その術式により術後の運動療法の注意点などが示唆できます。術後のリハオーダーは、どの股関節疾患でも主に関節可動域訓練、筋力強化訓練、歩行訓練、ADL訓練だと思います。

問題点が把握できなければ、どの股関節疾患でも同じ運動療法を繰り返すこととなり、理由が分からず結果だけで「改善した」と捉えてることはありませんか?

今回は、われわれセラピストが苦手とする病態の紹介および、手術方法からのアプローチすべき軟部組織の機能解剖、評価の紹介をしていきます。そして、それらを基に翌日からの臨床に役立てれる運動療法についてお話をさせて頂きます。

上腕骨頚部骨折における機能解剖の考え方とアプローチ

講師プロフィール

石田匡章先生
石田 匡章先生
一般社団法人 ASRIN代表理事
作業療法士

10年間の病院勤務のち、訪問看護ステーションに入職。
これまで、ICU・急性期・維持期・療養病棟・デイケア・整形外来・訪問リハビリなど幅広く経験を積む。
明日から臨床で使える勉強会をコンセプトとした、「ASRIN」を立ち上げる。
これまで約8000人参加。大ホールを借り大規模セミナーを開催したり、セラピストの手技を高めるための少人数制のセミナーも行っている。臨床に役に立つテクニックは好評との声が多数。
そして現在は、全国を飛び回りセラピストのための技術の向上に邁進している。

石田先生から学べること

肩関節の基礎

・肩峰下滑液包について
・フォースカップルについて
・解剖学的肩関節の運動の軌跡
・大結節のPATH

上腕骨骨折

・上腕骨の血行状態
・上腕骨頚部骨折の合併症
・上腕骨頚部骨折の手術方法
・上腕骨頚部骨折の治療ポイント
・上腕骨骨幹部骨折の分類
・上腕骨骨幹部骨折の骨の転移
・functional bracingについて

概要

肩関節は複雑な構造なので、臨床で悩む機会が多くありませんか?

今回は、肩関節の機能解剖からアプローチまでをお伝えしていきます。肩関節の基礎をおさえながら、運動の軌跡と大結節の動きについても分かりやすくご説明するので、肩関節に苦手意識を持っている方は特に聞いてもらいたいです。

また、高齢者の4大骨折の1つ、上腕骨頚部骨折の評価とアプローチもご紹介します。肩関節の基礎構造から考えて、手術の方法や術式から考えられる問題点、そして血行の状態からどのようなことが考えられるかなどの、リスク管理についてもお話しします。

これら基礎的な内容をふまえて、上腕骨頚部骨折のアプローチもお伝えしますので、ぜひ明日からの臨床に役立ててください。

フォーラム基本情報

テーマ

整形疾患リハビリテーションフォーラム2018in金沢
〜高齢者の4大骨折に対する最新知見とアプローチ〜

日時

・平成30年7月29日(日)
・10:00〜18:00終了予定(受付開始:9:30〜)

会場

※会場が変更となりました。大変ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【場所】
=変更前=石川県地場産業振興センター 本館3階 第3研修室(※駐車場あり)

=変更後=石川県地場産業振興センター 本館2階 第1研修室(※駐車場あり)

【住所】 〒920-8203 金沢市鞍月2丁目1番地
【アクセス】 詳しくは石川県地場産業振興センターの公式サイトをご参照ください。
【地図】

参加費

・6,000円(一般)
・5,000円(Archメルマガ会員)→Archメルマガ会員(無料)の登録方法はこちら
・3,000円(学生/一般)
・2,000円(学生/Archメルマガ会員)→Archメルマガ会員(無料)の登録方法はこちら

※1:事前お振込になります。お申し込み後に、振込先が記載してある自動返信メールが届きます。もし自動返信メールが届かない場合は、下記のFAQをご覧ください。
※2:学生は大学院生を除きます。

定員

100名→満員御礼です。多数のお申し込みありがとうございました!

持ち物・服装

・筆記用具
・動きやすい服装(座学中心ですが、座席で行う実技があるためです)

タイムスケジュール

9時30分:受付開始
10時00分:フォーラム開演・開会の言葉
10時05分〜11時35分(90分):腰椎圧迫骨折に対する保存療法戦略
ーお昼休憩(60分)ー
12時40分〜14時10分(90分):手関節の骨折に対する、考え方と治療-橈骨遠位端骨折-
14時25分〜15時55分(90分):股関節の機能解剖と運動療法
ー中間休憩(20分)ー
16時20分〜17時50分(90分):上腕骨頚部骨折における機能解剖の考え方とアプローチ
17時55分〜:閉会の言葉
18時00分:フォーラム終演

※多少時間が前後する可能性がございます。ご了承くださいませ。

主催

Archリハビリテーション勉強会(公式サイトはこちら