すこし前置きが長いですので、すぐに本題に入りたい方は以下をクリックしてお進みください。

「このまま、いまの環境ではたらき続けてもいいのだろうか?」
「いまの仕事以外に新しいことを始めてみたいけど、そもそも自分が何をしたいのかが分からない」
「キャリアアップして収入を上げたい」

もし、このような悩みを抱えているセラピストがいたら、今回ご紹介する書籍から解決のヒントをもらえるかもしれません。

その書籍とは『医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略』

医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略~未来は、自分で切り拓く~

著者は、作業療法士で経営コンサルタントの三好貴之(みよし・たかゆき)さんと、在宅緩和ケア住宅の施設長や、他企業の取締役・アドバイザーなど、さまざまな顔を持つ「医療介護系複業家」の作業療法士・細川寛将(ほそかわ・ひろまさ)さん

作業療法士という職域を超えてキャリアを築いてきたお二人の指南書は、キャリア形成で悩むセラピストにとって、自分の進むべき方向を教えてくれるコンパスの役割を担ってくれる一冊になると思います。

コンパス

ぼくの話で恐縮ですが、自分も6年前にキャリアについて大きく悩んでいた時期がありました。

そして、さまざまな壁にぶつかりながらも、いまは理学療法士をしながら、SEO(検索エンジン最適化)の専門家として、法人や個人の方に対してメディアを使った利益アップや認知度向上の支援をしています。

いまでは自分らしく仕事ができていますが、キャリアアップを意識しはじめた6年前のぼくは、ひとりで以下のような悩みと不安を抱えていました。

「どうやってキャリアップすればいいんだろう?」
「自分に合っているビジネスってなんだろう?」
「人様からお金をもらって仕事をするなんてマジ怖すぎる…」

さまざまな方のご指導のおかげで、いまは高単価のお仕事を引き受けることができるようになりましたが、キャリアアップのスタートライン「0」の状態から、好きなことを見つけて初めてお金をいただく「1」の状態にたどり着くまでが、メチャクチャ大変でした。

そしてぼくだけじゃなく、このように「0→1」を乗り越えられなくて、もがき、苦しみ、悩んでいる方は、意外と多いのではないでしょうか?

迷路

そのような方に対して解決の糸口となるのが、本書になります。

本書を購入したキッカケは、Facebookでいろんな方がシェアしていたのを見て「どんなことが書かれているのかな〜」という興味本位からでした。

なので最初は、軽くパラパラと流し読みしていたのですが、昔の自分と重なる挿話もあり、いつの間にかページをめくる手が止らず一気読みしていました。

読み終わって感じたことは「もっと早くにこの本と出会っておけば、6年も回り道をしなかったのに」という後悔です。

そのため、昔の自分と同じように、キャリアのスタートラインで悩んでいる方に、本書をぜひ手にとってみてほしいということで、今回ご紹介しようと思った次第です。

なお、今回の記事には副業についての話も出てきます。もし今後、副業をしていく予定の方(もしくはすでに行っている方)は、あなたが勤めている会社のコンプライアンス違反を犯さないようにだけ、十分お気をつけください。

それでは、いきなり長くなってしまいましたが、本題に入っていこうと思います。

どんな人にオススメの本なの?

どんな人にオススメの本なの?

世の中にはたくさんのキャリア系の本がありますが、本書はタイトル通り「医療や介護職」向けのキャリア本です。

実際に本書を読んでみて、とくに一読をオススメしたいのは【キャリアを意識し始めた方】もしくは【キャリアアップをしたいけど壁にぶつかっている方】です。

もう少し具体的にいうと…

「キャリアアップをしたいけど、まず何をしたらいいのか分からない」
「社会に求められるためには、どんなスキルを高めればいいの?」
「いまの環境でキャリアアップするためにはどうすればいいの?」
「自分の強みってなんだろう?」

などに悩んでいる方は、解決の糸口を見出せるかと思います。

というのも、次の章の冒頭でも軽く触れていますが、キャリアを構築していくうえで必要な心構えや、キャリアを形成するための具体的なステップなどが紹介されているからです。

どんな内容が書かれているの?

どんな内容が書かれているの?

本書の前半部には、おもにキャリア理論や戦略、キャリアアップするための心構えなどが紹介されています。

後半部には、キャリア形成において根幹となる「自己理解」や「仕事・マーケット理解」の解説、そして実際に行動に移すための戦略的かつ具体的なステップなどが提示されています。

なお、各章の構成は、まずは冒頭にキャリアで悩んでいる医療職を主人公としたストーリーが描かれていて、そのあとに本文に入っていく流れです。

本文には、年代別のキャリア・デザイン、社会から求められるために必要なスキル、職場内でキャリアを構築する方法など、医療・介護職がキャリアアップするためのヒントが余すことなく書かれています。

ただ、ビジネスをしたことがない方は、普段聞き慣れないワードがちらほらと出てくるかもしれません。

しかし、各章の冒頭のストーリーは本文の内容に基づいた内容となっているため、そのストーリーと本文を照らし合わせながら読むと、より一層理解を深めることができますよ。

ちなみに、ストーリーの主人公は、著者がこれまで実際に出会ってきた方々がモデルなので「あ、いまの自分の状況と一緒かも」と、主人公と自分を重ねながら読み進めることができる方も多いかもしれません。

実際に読んでみての感想

これからは、本書を読んでとくに共感した部分を引用させてもらいつつ、ぼくがいまの状態に辿りつくまでに経験してきたことを踏まえた感想をお伝えしていきたいと思います。

どんなにスキルがあってもモチベーションがなければ続けられない

(p23より引用)

仕事の報酬は、給与だけではない。キャリアを築いていく上で、一番重要なのは「経験」だ。この経験こそが、未来への投資と考える

(p30より引用)

これまで、副業に取り組むさまざまな方を見てきたのですが、目先の利益だけを追い求めていた方は、途中で挫折をしたり、あまり稼げていないケースが多くありました。

以前勤めていた職場でも、誰かが垂らした「カンタンに稼げる」「権利収入が得られる」という甘い蜜(という毒)たっぷりのビジネスに、同僚や後輩たちが群がっていましたが、いまではほとんどの方がやめています。

その方々が途中でやめてしまった原因は、おそらく「お金」という “外的報酬” だけで副業の種類を判断しており、根本である自分の想いだったり、情熱などが欠落していたからだと思います。

では、どのようにキャリアや副業を選択すればよいのでしょうか?

ひとつの判断軸として、長期的にみてキャリアに役に立つであろう「経験」ができたり、自分の内側から湧いてくる「ワクワク感」を味わえたり、つまり “内的報酬” も考慮することが大切だと感じています。

この内的報酬については本書にも書かれていますが、やはり好きなことだったり情熱がある分野を選択したほうが、途中で挫折することが少ないですし、なにより自分らしく仕事ができます。

なお、誤解しないように付け加えておきますが、もちろん「お金が得られる」ということも大切です。お金が稼げないと、自分に再投資できなかったり、どんどん自分が苦しくなってきたりすることもあるからです。

あくまで「お金だけ」で判断すると挫折する可能性が高いんじゃないかな、ということだけ頭の片隅に入れておいていただければと思います。

最初はボランティアや副業的に始めて徐々に事業化していけば良い

(p30より引用)

今、時代は、「貨幣経済」から「評価経済」へ移行していると言われている。
(中略)
最初は、上手くいかないかもしれないが、徐々に自分のスキルをお金と手間暇をかけてブラッシュアップし、実績を作り続けることで、それがいつか花開くものだ。

(p70~71より引用)

「誰かにお金をもらって仕事をするのは不安…」

新しいことを始めるにあたって、このように感じている方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

まさしく昔の自分はそうでした。最初はスキルや知識が乏しかったので、少額の報酬でも「お金をもらっているのに、結果が出なかったらどうしよう」という不安に押しつぶされそうでした。

もし当時のぼくみたいに、キャリアの歩き始めでどうしてもお金を受け取るのが怖い方は、最初はボランティアでもいいので無料で仕事を引き受けて、ひたすら経験と実績を積むということをオススメします。

もちろん、最初からお金をもらいながら仕事ができるなら、それに越したことはありません。人によっては「お金を受け取って仕事をしたときに、ブレイクスルーが起きた」という方も結構いますし。

ただ、「何もかもはじめてなので、とにかく怖い…」という方は、リスクの低い環境で、全力を尽くして経験・実績・自信を積み重ねていく方法が、時間はかかりますがいちばん堅実な方法かなと思います。

そうして積み重ねてきた実績によって、思いも寄らないところから仕事が舞い込んできたりすることもあるんですね。

そして徐々にお金をいただきながら仕事ができるようになったら、そのお金を散財せず自分のスキルアップに投資します。そしてさらに大きな実績を出せるようになり、自分の報酬の単価を上げる。その報酬をさらにスキルアップに再投資。

このような正のサイクルに入ってしまえば、あとは加速した自転車のようにスイスイと前に進むことができるでしょう。

私は能力には先天的な「才能」に紐づくものと、後天的に「努力」により身につくものとが存在すると考えている。
(中略)
例えば、「絶対にやりたい」と思っていても後天的能力だけではどうにもならない領域があることを自覚することも必要になる。
(中略)
ただし、「諦める」ともニュアンスが異なる。どちらかというと「見極める」ことが大事。自分自身の能力の見極めは非常に大事であると同時に、自ら能力開発により「有能」になれる領域を選択することはキャリアにおいては最重要事項だ。

(p109より引用)

掛け合わせのキャリア戦略は今後マストになってくると予想している。

(p166より引用)

非常に共感した部分です。

自分が好きなことでも、残念ながら才能がなく、なかなか芽が出ないケースをぼくもよくみてきました。

自分が参入したい分野にて、寝ても覚めてもその分野のことを考えている(いい意味で)超絶変態レベルの人と同じ土俵で勝負をしていかないといけないこともあります。

あなたの周りにもいませんか?

「あの人って、なんであんなにも情熱や知識、技術があるんだろう? 到底かなわない…」。

マーケットや職種にもよりますが、そういった人に真っ向勝負を挑んでも勝算は薄いです。

なので理想は、自分が情熱を持てて、かつ強みがある分野で勝負をすることがポイント。

多くの経営者に読み継がれてきた不朽の名著『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則』で紹介されている “ハリネズミの概念” とも似ている考え方です。

ハリネズミの概念とは、下記の三つの円で重なる部分を見つけ出し、それを自分の指針にすることで大きく飛躍できる可能性がある、という概念です。

ハリネズミの概念
※『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則』p153より筆者作成

とはいえ「才能があるか分からないけど、情熱はあるから一度はこの仕事をしてみたい!」ということもあるでしょう。であれば、撤退時期を決めて、一度挑戦してみるのもいいと思います。

そして実際にやってみて、自分がその仕事に向いているのかを見極めます。「思っていたよりも楽しくなかった」「こっちの仕事の方が面白い!」「自分に向いていないかも」と、さまざまな発見があると思います。

もし、あなたがやってみた仕事が楽しく、さらに成果を出すことができ、加えてお金をいただけるようなら、大きく飛躍できる分野を選択できている可能性が高いといえるでしょう。

しかしなかには「この仕事は楽しかったけど上手くいかなかった。あきらめるしかないんだな…」という場合もあるでしょう。ただ、まだあきらめる必要はありません。

というのも、戦うフィールドをすこしズラしたり、スキルを組み合わせることで、活路を見出せるケースがあるからです。

活路

ぼくの例でいうと、昔からライティングが好きなのですが、小説家やエッセイスト、ノンフィクション作家などの文章力と比べたら、二流どころか三流、四流ライターです。

そういった、天から文章が降ってくるような人たちと同じフィールドで戦っていても、一生勝てる気がしません。

じゃあ、なんでいまのぼくは高単価の仕事ができているのか?

さまざまな理由がありますが、ひとつの理由として「理学療法士」「SEOの知識」「SEOに強いライティングスキル」を掛け合わせていること。

文章力が高いひとは上をみればみるほど多くいますが、このようなスキルを組み合わせている方はあまりいないのではないかと思っています(数名ご存知ですので、いつか熱く語り合いたいです)。

これを “掛け合わせキャリア” というのですが、この考え方は自分の好きなことをしながら、高い報酬を得られる可能性が高くなると感じています。

ただ、なんでも掛け合わせればいいというわけではありません。その理由と、実際に何を掛け合わせればよいのかは、本書にヒントとなる情報が載っています。興味のある方は、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。


さて、まだまだシェアしたい内容がたくさんあるのですが、これ以上引用すると怒られるかもしれませんので(笑)あとはぜひ本書を手にとって中身をご確認ください。

本書にはそのほかにも、キャリア形成における6ステップや、自分の強みをみつけるワーク、これからの時代にオススメする3つのスキルなど、知っておくとためになる情報がたくさん詰まっています。

新たな一歩を踏み出すためのキッカケとなる一冊

新たな一歩を踏み出すためのキッカケとなる一冊

医療・介護業界には未来がない。キャリアアップなんてできない。どうすればいいかも分からない。

もし、このように考えているなら、本書はあなたが望むキャリアの目的地に導いてくれるコンパスとなってくれるはずです。

ただ正直いうと、ちまたの自己啓発書のようにサラサラ読めるような本ではありません。

地に足ついた骨太の「ガチ」なキャリア本なので、普段読書をしない方は、すべてを読み切るのに時間を要すかもしれません。そして、本書で紹介されているワークをするのも「めんどくさいな〜」とおっくうになる方もいるでしょう。

当然ですが、理論だけを学んでも、結局は行動しない限り人生は大きく変わりません。

本書は「読んで勉強になった」で終わるものではなく、「いまこの瞬間から、将来のために自分はなにをすべきか」を指南してくれる一冊です。

そのため、キャリア理論を何度も読み込み、そしてワークを真剣に取り組むことで、新たな一歩を踏み出すキッカケになると信じています。

長い人生のなかのほんの数分数時間、将来の自分のために「投資」することで、あなたはぼくみたいに6年も遠回りする道は辿らないでしょう。

さて、こんな偉そうなことを言ってきた自分も、まだまだ日々もがきながら自分の望むキャリアを形成している途中です。

もしぼくと同じような境遇の方がいらっしゃったら、これからもお互い成長を楽しみながら、共にがんばっていきましょう。

今回の記事が、キャリアのスタートラインで悩んでいる多くの方々の役に立ちますように。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略~未来は、自分で切り拓く~